今回の臨床報告は、今年の6月から通院されていますSさんのお話です。
Sさんは約十余年前に軽い脳梗塞を発症し、左半身のしびれと下肢の麻痺に悩むようになりました。当初は、左手指の伸展動作や足関節の背屈動作が思うようにできない状態でした。
初診時の治療後、足関節の背屈が出来るようになっていましたが、わずかでしたので、本人の自覚はあまりありませんでした。
それから週に一度のペースで続けて治療を行いました。
約一ヶ月後には、手指を握ったり延ばしたりする動きに力強さと滑らかさがみられました。さらに、二ヶ月経ったこの頃は、足関節の動きにも力強さが出て、可動域も広がりました。痺れに関しては、左手にまだ残っている様子で、継続的な治療が必要です。
しかし、運動障害に関しては大きな進展があり、歩行距離が格段と延びたそうです。ご本人にお話を伺うと、個人的にも自宅でなるべく階段の上り下りをし、踵上げの運動を毎日行っているとのことでした。鍼灸治療とリハビリとご自分の努力が功を奏したようです。