今回の臨床報告 麻痺や痙縮、痛み、シビレの改善例

今回の臨床報告は、20年程前に脳出血を発症し、その後遺症で左半身麻痺を患ったTさんのお話です。

リハビリセンターでお知り合いになられた方が、当院をご紹介下さったとのことで、発症から月日は経っておられますが、1年程前に初めて当院へご来院されました。

Tさんは全体的に痙縮が強く肩の亜脱臼もあった為、肩は僅かに動きが確認出来る程度で、膝の屈伸はなんとか出来ますがスムーズではありませんでした。また、肘、手、指、足関節はご自分では動かすことが難しく、筋肉も突っ張った状態で硬くなっている為、大変柔軟性が低い状態でした。

脳卒中後遺症を患った患者様の多くは、この病気にかかってしまったことに大変ショックを受けて、気分が落ち込みがちになる方が多いのですが、Tさんは元々の性格なのでしょうか、とても前向きで明るいお方でした。お話する度に、逆に私が元気を頂き、なんとか少しでもTさんのお力になりたいと思いました。

活脳鍼は、治療を受けたほとんどの患者様に何かしらの変化を感じて頂いておりますが、治療に携わらせて頂いて感じるのは、痙縮が軽い患者様の方が、痙縮の強い方よりも活脳鍼の効果が現れやすく、治療直後に肩が上がるようになったり足が動くようになったりと、変化が見られやすいように思います。今回Tさんは発症からだいぶ時間が経過しており、痙縮も強い為、まずは筋肉の硬さを取ること、柔軟性を付ける事、また関節の可動域を拡げることが最優先だと感じました。何回か治療を続けていくうちに、少しずつ感覚が良くなってきて、病院で担当しているPTの先生からも『手が柔らかくなってリハビリしやすい』と褒めて頂いたとご報告を受けました。またご本人からも、『硬さが取れてきて身体が動かしやすい』と感想を頂き、初回時と比べると、少しずつですが可動域も拡がってきました。以前は、関節を動かそうとすると、意図としていない箇所まで力が入り、身動きが取れないような状態でしたが、最近では目的としている動きが少しずつ出来るようになってきており、筋力の向上も見られます。

発症から月日は経っていますが、諦めずに頑張ってこられたTさんの努力が、やっと実を結び始めました。

なかなか思うようにリハビリが進まず、焦っている方もいらっしゃるかと思います。でも慌てずに、一歩一歩でいいので頑張って下さい。患者様のリハビリをサポートさせて頂いて感じるのは、焦っていろいろやろうと必死になっている方よりも、なんとなくですが、気持ちを楽にしてご自身の出来る範囲でリハビリを行っている患者様の方が、結果に繋がってきているような気がします。それはこの後遺症と向き合ってコツコツ努力なさってきたからなのか、個人のお身体の差なのかはわかりませんが、とにかく、焦ってご自分を追い詰めないで欲しいと思います。

継続は力なり。脳卒中後遺症のリハビリも継続していくことが大切です。そのリハビリを効率良く、根気よく続けて行く為のお手伝いとして、是非一度活脳鍼を試してみて下さい。

スタッフ一同お待ちしております。