今回の臨床報告 麻痺や痙縮、痛み、シビレの改善例

今回の臨床報告は、顔面神経麻痺で来院されましたOさんのお話です。Oさんが来院されたのは、約6年前になります。当時は、突然目が痛み出し、顔面もゆがみ、涙が勝手に流れてしまうといった症状がありました。顔を見られるのが怖くて、外で歩くときは常に下を向いて歩いていたそうです。また、自分の顔を見るのが怖くて鏡を見ない日が続き、生活するのが億劫という気持ちでいたそうです。こちらに治療へ来るのも夕方からの遅い時間を選んで通院されていました。当時は、週に一度のペースで通っていただき、症状が改善に向かうにつれて治療頻度は、二週に一度くらいのペースになりました。

現在では、初期症状がほとんど改善され、涙が流れることも少なくなっています。当時に比べればだいぶよくなっていると、驚きの改善にご本人も喜んでくれています。今となっては思い出話のように語ってくれますし、その時の辛さや痛みもあまり思い出さないようにもなったそうです。Oさんの治療は継続中で、定期的に通われているため症状悪化も防げています。 当院では、脳神経の活性化および鎮静化の作用のある『活脳鍼』や目症状を改善する『晴明鍼』といった治療も行っています。脳の状態をよくするには、活性化と鎮静化のバランスが大事になります。何事もそうですが、人間の身体も常に健康であるためにバランスを保っています。このバランスが崩れていくことで種々の不快な症状が出てきます。普段から自分の身体と真摯に向き合っていれば病気になることは少ないと思いますが、日本の忙しい社会で健康を気にかける時間は少ないでしょう。だからこそ、健康を増進して病気にかからないようにする東洋医学は、現代社会に必要とされる医療の一つだと思います。様々な医療技術が発展し、新しいものが作られていきますが、東洋医学という古典の知識や技術が今尚、生きているのには驚きを感じます。