今回の臨床報告 麻痺や痙縮、痛み、シビレの改善例

今回の臨床報告は、脳梗塞後遺症で来院されたMさんのケースです、

Mさんは、発症当初、手足を自由に動かすことができず、悶々とした日々を送っていたそうです。そこで、ネットで活脳鍼のことを知り、なんとか元のように動かしたいという一心で遠路はるばる来院しました。

当院へ初めて来たときは、腕の屈伸動作が上手く出来ませんでした。特に伸展動作は難しく、指や手首をしっかり伸ばすことができませんでした。その他、肩関節や足の動きはあるものの、可動域の広がりが少なく、力強さにも乏しさを感じました。

治療後、手足を動かしてもらうと、明らかに手足の屈伸伸展運動がスムーズになっていました。ご本人も、今までよりも軽く動くようになっているという実感が湧いたようで、とても驚かれていました。不思議そうに何度も自身の手足の動きを確かめていました。

Mさんは、良いと思うものは何でも取り入れるという前向きな性格なので、その後週に1度は必ず治療を受けにくるようになりました。

最近では、リハビリの治療を行ったときに、指の伸展動作が大きく見えるようになっています。ご本人も、今までこんなに動かしたことはないと大感激していました。

脳卒中を起こし、後遺症を患うと、大抵の方は自分の身体が変わってしまったことにショックを受けて、うつ状態になる傾向にあります。

悲観的な気持ちが回復を遅くさせる要因の一つと我々は考えています。

したがって、うつ状態は負のスパイラルを引き起こす可能性が高くなります。

ところが、Mさんは、発症当初からそういったことはなかったようで、後遺症に負けずに元の身体に戻すように努力していました。その気持ちも目覚ましい回復を遂げた一因でしょう。

どんな病気も前向きに立ち向かう気持ちがなければ、スムーズな回復は期待できません。 我々の鍼灸治療は、麻痺した手足を動かしやすい状態にサポートしますが、肝心なのはご本人の努力です。絶え間ないリハビリ運動が大きな改善へと導くのです。