【痙縮】や痺れ痛みの緩和!脳梗塞、脳出血の後遺症なら脳幹を攻めろ!

「活脳鍼」

脳卒中の後遺症に効果的

痙縮・痛み・シビレの緩和法

当院では脳梗塞や脳出血による痙縮や痛み、シビレを取ることも積極的に行っています。

頑固な痙縮は回復の妨げ!

痙縮を改善して効果的なリハビリに励む!

痙縮は局部の問題だけではありません。

持って生まれた防衛反応と過剰な非障害脳の代償作用、

そして悲観的な思い込みが大きな原因と推測されるのです。

痛みもシビレも同じです。

長年の痙縮は取れないと思っていませんか?

でも、ご安心ください。活脳鍼は脳卒中の後遺症の痙縮に優れた効果を発揮します!

では、痙縮や痛み、シビレについてご説明します。

痙縮・痛み・シビレはリハビリの大敵

脳梗塞や脳出血の後遺症は頑固な痙縮や痛み、シビレも併発します。

脳から運動刺激が伝わっても、硬くなった筋肉を曲げたり伸ばしたりする至難の業です。

目一杯力を入れてもぎこちない動作になってしまいます。

自動車で例えれば、ブレーキをかけた状態でアクセルを踏むのと同じです。

また、異常な反射も引き起こします。

右手を動かそうとすると、左手や左足が痙攣を起こすように動いてしまいます。

これでは患側麻痺側の手足のリハビリをもってしても進展しません。

これらの症状は非障害の脳の過剰な代償作用と、脳の混乱、そして右前頭葉の悲観的な思い込みなのです。

では、次に痙縮・痛み・しびれの対処法をご説明します。

脳梗塞や脳出血の後遺症は頑固な痙縮や痛み、しびれも併発します。

脳から運動刺激が伝わっても、硬くなった筋肉を曲げたり伸ばしたりする至難の業です。

目一杯力を入れてもぎこちない動作になってしまいます。

自動車で例えれば、ブレーキをかけた状態でアクセルを踏むのと同じです。

また、異常な反射も引き起こします。

右手を動かそうとすると、左手や左足が痙攣を起こすように動いてしまいます。

これでは患側の手足のリハビリは進展しません。

これらの症状は健側の脳の過剰な代償作用と、脳の混乱、そして右前頭葉の悲観的な思い込みなのです。

痙縮も痛みもしびれも過剰な防衛反応

長い間活脳鍼という鍼灸施術で脳梗塞や脳出血の後遺症に対峙してきました。

手足の運動麻痺や感覚麻痺を始め、半盲複視、高次機能障害のうつ症状や物忘れ、嚥下障害、構音障害など、様々な後遺症の改善に努めてきました。

その中で光トポグラフィーや脳波などの検査機器を用い、活脳鍼の科学的根拠の究明にも力を入れました。

これらの検査から得られた情報と、今までの臨床経験から次のようなことを推測するに至りました。

私たちが日ごろ行っている行動の殆どは意識を伴いません。

仮に信号機が青になったことを確認して横断歩道を渡ったとしても、歩くという動作は頭の中で考えながら行っているわけではありません。

もし、右足や左足の筋肉の動きをいちいち確認するとすれば、1世紀前のロボットと同じようにぎこちない動きになってしまうでしょう。

でも、生き物は寸座に目的に叶った行動に移れます。

習慣や経験から得られた情報が脳の奥深くに仕舞い込まれた記憶が、瞬時に運動野に伝わり、歩くという筋肉の動きに繋がるのです。

無意識の動作、または様々な反射現象と言えます。

脳というコントロールセンターの命令を末端の筋肉が忠実に守ります。しかも意識することなく、一次運動ニューロンの運動前野や錐体路、錐体外路、二次運動ニューロンのα運動ニューロン、γ運動ニューロン、そしてIb繊維群やIa繊維群などの連携プレーで、筋肉は計画に沿った収縮弛緩を行います。

但し、無意識と言っても、目的とする行動をするための情報の抽出は、脳にはりめぐられた神経のネットワークがあっての賜物です。

過去の脳に格納され行動様式を一瞬にして見つけ出し、行動に結び付けるというスーパーコンピューター並みの機能を脳は持っているのです。

オギャアと生まれて、ハイハイから立ち上がる。

よちよち歩きから走る、スポーツで汗を流す、爽快に自転車に乗るなど、道具をフルに使う全身運動まで出来るようになります。

危険を察知したら、速やかに回避する行動も取れるようになります。

それは過去の経験が脳の神経細胞に記憶され、更に複雑な動きが出来るようにネットワークが築かれたからです。

つまり、大量の脳神経細胞が複雑に連絡し合い飛躍的に機能をアップした脳が、無意識と引き出しから的確な情報を選びだしたのです。筋肉の運動も無意識の世界の現象です。伸張反射やIb反射など深部反射によりこの反射が脳卒中の損傷により正常性を失うのです。これは多くの臨床や実験で確認され、専門家が定説にしています。でも、それだけではありません。

ところが、脳梗塞や脳出血を発症すると、多くの方が運動麻痺や知覚麻痺、痙縮といった後遺症に苦しむことになります。

脳というスーパーコンピューターのAI機能が低下するだけではなく、一部の機能が破壊されてしまうこともあります。

この結果、手足が動かせないという運動麻痺、痛むしびれるといった感覚障害が発生するのでしょう。

場合によっては即答できないという構音障害や、うつや記憶力低下などの高次機能障害も起こると考えられます。

また、配線に異常が発生する、あるいはハッカーにやられて誤作動を行うこともあります。

これが不随運動に発展するのでしょう。基本的な運動麻痺や痛み、しびれ、痙縮までもの原因にもなるでしょう。

また、病気になったりケガを負ったりすると、無意識に休めという危険信号を発して積極的な活動を制御させます。

これは人も動物も一緒です。

肉体や精神がオーバーワークになると痛みや凝り、疲労感といった症状をあらわしますので、この現象は誰にでも理屈抜きで感じられます。

同じように脳梗塞や脳出血の発作を起こしたときも安静を保たせるために手足を動かせないようにするのではないかと私は考えています。

但し、そのシステムは脳血管の詰まりなり出血なりが落ち着いたら出来るだけ早く解除されなければなりません。

長引くと片麻痺や言語障害などの後遺症を残してしまうからです。

花粉症やリュウマチも過剰な防衛反応から発症する疾患です。

新型インフルエンザは若者の間に死者が集中するといわれていますが、これも過剰な抗原抗体反応が原因です。

新型コロナも同じような病理で悪化するようです。

このように生体は時として過激な自己防衛反応に走るのです。

脳卒中も同じようなことが言えるのではないでしょうか。

つまり、脳卒中を発症すると手足の動きがストップします。

これは過剰な防衛反応が引き起こしていると考えられるのです。

実際、最初のころは筋肉は弛緩していますので、不用意に身体を動かすと打撲や脱臼、骨折の危険性があります。

ですから、不動という形で危険回避するようにするのでしょう。

但し、生命にかかわる事態から脱したら速やかに過剰な防衛反応を解除する必要があるのです。

本来ならば、防衛反応に感謝するとともに、そのシステムを解除するように働きかけなければならない時期になったからです。

過剰な防衛反応の解除

と言っても、それを解除するのは並大抵の努力ではできません。

いくら自分に言い聞かせても、何かの方法で脳を開放しようとしても、抗うつ剤でも精神安定剤でも難しいでしょう。

人間の脳は進化の過程で前頭葉が発達しました。

これが知能と想像力に満ちた人間らしさの源になっているのですが、時にしてマイナス面も生んでしまいます。

考え過ぎによるうつ病やノイローゼもそうですし、上述した思い込みもそうです。

熟練した催眠術者が、“手足が動かせない”と暗示をかけたら、ものの見事に歩くことも手を振り回すことも出来なくなってしまいます。

ですから、前頭葉が、もう手足は動かせないと決め込んでしまったら、そう容易く過剰な防衛反応を解く方法は見つけられません。

ただ、死滅した領域は限りがあります。

正常な機能を持つ脳細胞も少なくないでしょう。

そこから神経が手足に伸びているはずです。伝達力は低下したとしても、手足は動かせるはずです。

実際、活脳鍼を行うと、物の見事に運動能力が甦ります。

程度の差はあれ、たったこれだけの刺激で動き出すとは何とも不可解な現象です。

恐らく血流改善による脳細胞の一時的な健全化傾向でしょう。

それでも、この結果から推測されることは、伝達系は機能を残しているということです。

となると、後遺症の回復を遅らせている要因は他にもあるということに行き着きます。

この鍵を握っているのは脳の前頭前野と大脳辺縁系だと推測しています。

命の危険が去り、社会復帰のためのリハビリに移ると、自由に手足を動かすことができない自分を自覚するようになります。

ひと月近く手足が動かせない状態が続くと、脳は防衛反応を強化し錐体路に命令することで関節の動きをセーブするために筋肉を痙縮状態に導いてしまうからです。

そうなると、どうせ手足の機能は戻らないという諦めの心境になってしまいます。

多くの方はショックのあまり意気消沈して無気力状態になってしまいます。

この心の動きも脳卒中の後遺症の回復を遅らせる原因として挙げられます。

リハビリに精を出しても拘縮があると、ハッキリ成果があらわれないという負のスパイダルに陥ってしまうのです。

このように脳梗塞や脳出血になると、悲観的な思い込みから痙縮という過剰防衛反応が、二重三重に回復を妨げるようになるのです。

随意運動は前頭葉の背外側前頭前野が目的にあった運動を企画します。

それを一次運動ニューロンや二次運動ニューロンが無意識のうちに遂行します。

ところが、悲観的な思い込みが背外側前頭前野に満ちると、どうせダメだからと命令自体も消極的になり、運動前野も最悪の事態を回避するために筋肉の動きをフリーズさせてしまおうと働きます。

末端のIa運動繊維やIb運動繊維から不確かな信号をキャッチするからです。

これが錐体路における痙縮なのです。

大脳辺縁系も背外側前頭前野の悲観的な思い込みにつられて錐体外路に対する作用が低下してしまいます。

大脳辺縁系は喜怒哀楽に影響をうけやすいから、背外側前頭前野の不安や怒り、悲哀に同調してしまうのです。

うつ病でも背外側前頭前野と大脳辺縁系の機能失調が原因と考えている学者も多いのです。

錐体外路は痙縮の予防や回復に重要な機能を持っていると考えられますので、痙縮という錐体路障害の緩和に竿を刺してしまうのでしょう。

特に筋肉のマヒの場合、無意識下の反射が機能しないことが基本的な原因になっています。

Ib反射やIa反射と呼ばれる筋肉を収縮させたり緩ませたりする反射現象の狂いです。

筋肉の筋紡錘や腱の伸び具合を計るセンサーのIb繊維群やIa繊維群の機能が狂うと、運動ができないばかりか、筋肉が固まり、動かしにくい状態になってしまいます。

確かに大きな原因は脳の運動に関わる領域が壊死を起こし、手足の筋肉に刺激が伝わらなくなっていますので、動かせないとしても不思議ではありません。

脳の運動野からの指令が錐体路や錐体外路に伝わらなければ、末端の筋肉が動くはずはありません。

僅か回復傾向がみられたとしても、正常なIb反射やIa反射はおとずれません。

また、錐体で健側の脳から患側の手足にのびる神経が再構築されますが、その回路も未熟で、中途半端な刺激が患側の手足に届きます。

錐体路も錐体外路も無意識のうちに機能を閉ざしてしまいます。

頑固な痙縮の始まりです。

ところが、まだ方法は残っているのです。

その前頭葉の錠を開ける鍵を持っているのが活脳鍼なのです。

 痙縮を取る!

当院では痙縮の緩和も治療の一貫として行っております。

この痙縮緩和法ですが、それほど難しいことではありません。

まずは筋肉の収縮や弛緩を司る網様体脊髄路の異常興奮の抑制です。

背中やお腹、太ももの筋肉を緩めると、目的が達成できます。

更に脳幹網様体から小脳に届く回路も利用するのです。

つまり、口や耳の周りにあるツボを利用して間接的に顔面神経求心路に刺激を与えるのです。

これにより錐体外路系や小脳に働きかけ痙縮を緩和させるように仕向けるのです。

また、屈曲反射や交差性伸筋反射、伸展反射といった生体の防衛反応も利用します。

例えば、非麻痺側の筋肉に鍼を挿入し、その上で痛み刺激を与えます。

そうすると、非麻痺側の屈筋群は屈曲反射により緊張しますが、反対側の麻痺側の屈筋群は弛緩します。

小さなお灸をしても同じような現象が起こります。

これが交差性伸筋反射と呼ばれる現象です。

次に麻痺側の屈筋に鍼を挿入して筋肉をゆっくり伸ばします。

その結果、瞬間的に屈筋が緩みます。

これは伸展Ib反射と呼ばれています。

また、皮膚表層に微弱な刺激を与えることもあります。

触圧反射を利用します。

その他、痙縮に有効なツボがありますので、それらのツボを利用すると更に効果的です。

筋肉が緩むと気持ちも良くなります。

この状態を脳にインプットする必要があります。

痙縮は脱臼など不測の事態を防止する防衛反応ですが、それが行き過ぎるとリハビリの障害になります。

ですから、筋肉がタラ~ンとしてきたら、そのリラックス感を味わいとともに、もう大丈夫、脱臼の心配はいらないと自分の心に言い聞かせるのです。

リハビリやマッサージで痙縮や固縮の緩和を図れば、更に効果的です。

いずれにしろ、効果を上げるためには、どこのツボを利用するかということになります。

ツボから大きく外れれば、目覚ましい効果は得られません。

痛みやシビレにも有効!

脳梗塞や脳出血の後遺症は頑固な痛みやシビレも発症します。

痛みは比較的少ない症状ですが、特徴的なのは痛みの感じ方が激しい点です。

シビレも頑固です。

これは、坐骨神経痛や頭痛といった通常の痛みやシビレと異なり、精神的な不快感や苦痛も伴いますので、健康な人々には想像がつかないぐらい苦痛です。

これは脳の感覚野が勝手に痛みやシビレがあると判断していることが原因ですので、病院の治療でも難儀しているようです。

一説によりますと、手足に分布する感覚神経への刺激が脳の感覚野にシッカリ伝わらないことで、感覚野が異常興奮してしまうのが原因とされています。

これは余計な動きを抑制する一種の危機回避反応と言えます。

手足が思うように動かせない状態で過激な運動をすれば、筋肉や関節にダメージを与えてしまうどころか、打撲や捻挫、あるいは骨折を起こしたりして取り返しのつかない事態を招いてしまう可能性があるからです。

脳が意識、無意識に関わらず不測の事態に不安と恐怖を感じているようです。

痙縮が運動野の防衛反応ならば、痛みやシビレは感覚野の防衛反応とも言えます。

全身をコントロールしている脳ならではの制御法です。

したがって、この解消には、先ずは末梢の感覚を脳の感覚野が明確にキャッチできるようにしなければなりません。

また、脳にこびり付いた不安や恐怖を取り除く必要もあります。

光トポグラフィーの実験から活脳鍼が前頭葉を活性化すること示唆さました。

活脳鍼の刺激は三叉神経を介して橋・中脳を上行して視床に運ばれ、そこから新たな神経に乗り換えて大脳皮質中心後回感覚野に届くと推測できます。

この解釈は解剖学的にも肯定されます。

また、活脳鍼が脳幹梗塞や出血による動眼神経や滑車神経、外転神経の麻痺に奏功するという臨床結果からも、刺激が橋から中脳に伝わっていること考えられます。

この結果、前頭葉が活性化されることで大脳基底核の線条体から淡蒼球、側坐核、黒質に刺激が伝達し、そこでアレンジされた情報が前頭葉に戻るというシステムや大脳基底核から大脳辺縁系に情報を伝える回路、大脳辺縁系で精査された情報が大脳基底核に戻され視床を介して大脳皮質に送り返されるという回路、更に大脳基底核や大脳辺縁系から脳幹にも刺激が届く伝達路に影響を及ぼすことが考えられます。

この一連の刺激伝達を大脳皮質-大脳基底核ループと呼んでいますが、活脳鍼に刺激はこれらの刺激伝達系を活発にさせている可能性があるのです。

活脳鍼施術時、微弱な電流を流す他、手足にも治療を行うので、前頭葉に連続的、かつアトランダムに増幅された刺激が加わるからです。

恐らくシナプスの伝達効率が良好になるのでしょう。

また、活脳鍼施術時にお灸を併用すると、手足の痛覚や温覚は鍼やお灸の刺激で大脳皮質中心後回感覚野を興奮させます。

これにより脳の感覚野から末梢に続く神経回路の伝達が活性化できますし、反復刺激を与えれば、新しい回路の構築も可能です。

厄介なのは脳にこびり付いた不安や恐怖の解消です。

そのカギは大脳辺縁系の島皮質にあると考えています。

島皮質は不安や恐怖といった感情を意識の有無に関わらず、大脳皮質に運びます。

更に同じく大脳辺縁系に属する前帯状回や扁桃体にも伝達されると、その感情の度合いがヒートアップしてしまいます。

前帯状回や扁桃体は情動の中枢と言われているぐらいですので。

特に扁桃体が過剰に反応すると、トラウマのような状態を起こしてしまいます。

また、注目したいのは活脳鍼の刺激が脳幹に影響を及ぼすことです。

中脳は錐体外路の重要な中継点になります。

つまり、錐体外路は痙縮を解く可能性が高いのです。

そこで、活脳鍼を行う際、錐体外路系の網様体脊髄路が支配する筋肉にも刺激を与えます。

網様体脊髄路は、四肢近位や体幹の筋肉を支配していると言われています。

また、屈筋を抑制すると言われています。

この網様体は中脳や延髄のある脳幹にあります。

この刺激伝達系を網様体脊髄路と呼びますが、脳卒中による拘縮が手足にみられると、この支配領域の筋肉にも緊張がみられます。

特に僧帽筋や腹直筋にです。

これらの筋肉を緩めると、手足の痙縮も緩和させられることを臨床でつかんでいます。

こむら返りに対応する漢方薬に芍薬甘草湯がありますが、痙縮を緩和にも応用されています。

この漢方薬の証、つまり投与目標に腹直筋の緊張があります。

このことからも腹筋を緩めることが痙縮対策に役立つことが推測されます。

更に赤核脊髄路も鍵を握っています。

この支配筋はジャックナイフ姿勢を緩和するのに最適な治療部位になっています。

痙縮には手足の筋肉に深く鍼を刺して伸展刺激

脳梗塞や脳出血の後遺症である運動麻痺は正しいリハビリを行うことにより改善に向かうことが多いのですが、完全回復する例は稀です。

その理由として筆頭に挙げられるのは痙縮や固縮を伴っているからです。

いくら手なり足なり動かそうとしても筋肉が突っ張ったり、関節が固まった状態では思うようにいきません。

身体全体で力を振り絞って動かしても1回でヘトヘトになってしまうこともあります。

したがって、効率的なリハビリを行うには、平行して痙縮や固縮の緩和にも取り組む必要があるのです。

                                      

いかに通気法が脳卒中の後遺症に有効としても、痙縮を起こしていれば、そう簡単に対象とする関節は動かせません。

ただでさえ筋力が落ちている状態なのに、関節の動きにブレーキをかけるように筋肉が固くなっていれば当然の成り行きです。

そこで、リハビリの妨げとなる痙縮を緩和させる方法ですが、まずは非麻痺側の手足の筋肉に鍼を刺入し、静的ストレッチによる伸展刺激を与えます。

鍼の刺激が筋肉の固有受容器に響くと、筋肉は極限まで伸ばされたと錯覚を起こします。

すると、反対の麻痺側の手足に筋肉が緩んできます。

痙縮や萎縮には手足の筋肉に連続したお灸の刺激

痙縮が長引くと、脳だけの問題では片づけられなくなります。局所の問題も生じてきます。筋肉に力が入らなくなり、伸び縮みができなくなる現象です。萎縮と呼ばれます。完全に萎縮ケースは稀ですが、かなり運動しずらくなるのは確かです。

この場合は単に鍼を刺した状態で伸展させるだけではなく、硬直した筋肉群に導火線に火をつけるが如くお灸をしたり、電気刺激を与えたりします。連続的に筋肉に収縮刺激を与えることで、萎縮の度合いが減ります。この手技は痙縮の緩和にも役立ちます。但し、拘縮を起こしている場合は続いて通気法を行うことをお勧めします。関節の可動域を広げるために有効です。

通気法リハビリで更に効果的!

次に当院独自の通気法リハビリで麻痺側の筋肉に触覚・圧覚・振動覚刺激を与えます。

麻痺側の筋肉に軽擦や把握揉捏法、タッピングというマッサージ手技で気持ちの良い刺激が皮膚や筋肉に加わると、コリがとれるということで、これは痙縮の緩和につながります。

電気マッサージ器による振動刺激を与えることがあります。

非麻痺側の手足の皮膚から筋肉に強い振動を与えると、麻痺側の筋肉の緊張がとれてきます。

更に振動刺激を麻痺側の伸筋に加えると、麻痺側の屈筋が緩んできます。

実際、患者さんも筋肉が緩んでくるのを実感します。

ことに関節を伸展あるいは屈曲させた状態で行うと効果的です。

恐らく、屈曲反射や交差性伸筋反射、伸展反射に影響を与えていると思われます。

また、継続的に触圧刺激は脳の運動野からの伝達も筋肉を弛緩させる方向に向かわせるのではないかと思われます。

理論としては、触覚刺激がⅡ群繊維(Aβ繊維)を介して、大脳の感覚野から運度野に入り、α運動神経を抑制しするとともにγ運動神経を優位にさせるのではないかと考えています。

α運動神経が興奮すると筋肉の緊張が高まり、γ運動神経は逆に弛緩させる傾向があります。

また、小脳や脳幹網様体を経由して過剰な筋の興奮を鎮めのではないかとも考えています。

触圧・圧覚・振動覚刺激により麻痺側の筋肉の緊張が緩和したところで、屈筋群を徐々に伸展させます。

ある程度屈筋群が緩んでいないと、筋肉が損傷してしまうことが在るからです。

スポーツの世界では静的ストレッチとも言われています。

筋肉をゆっくり伸展させると、瞬間的に筋肉が弛緩します。

筋原線維が切れてしまうのを防ぐための防衛反応と言えます。

難しくはIa繊維によるα運動ニューロン抑制です。

一方の筋肉が収縮すると、その拮抗筋が弛緩するという相反神経支配です。

筋肉の弛緩している状態は長くは続きませんが、弛緩している状態を脳に認識させることが重要です。

筋肉が弛緩して無防備な状況になっていても問題がないということを脳にインプットさせるのです。

痙縮は過剰な防衛反応なので、解除させる必要があるからです。

そのため深呼吸をさせたり、口を開け顎関節にかかる負担を軽減させることによりリラックス状態に持ち込みます。