「活脳鍼」
脳卒中の後遺症に効果的
脳梗塞・脳卒中の予防
脳卒中は脳血管の障害から発症する症状の総称で、大別すると脳の血管が詰まる「脳梗塞」と脳の血管が破れて出血する「脳出血」や「くも膜下出血」に分けられます。
■ 目次 ■
脳梗塞や脳出血の最大の原因は動脈硬化
以前は脳卒中は冬の病気と言われていました。
寒さで血管が収縮し血圧が急上昇することによる脳出血が多かったからです。
勿論、血管の収縮により血栓が詰まりやすくなる脳梗塞も多発するのは言うまでもありません。
但し、夏場だから安心というわけではありません。
最近、真夏の脳梗塞が増えているのです。
理由は汗をかくことで血管内の水分が不足し、血液の粘り気が高くなり、その結果、血管が詰まりやすくなるからです。
寒い冬場だけではなく、夏場の脳卒中には注意しましょう。
特に脳卒中の再発を恐れている方は十分に気を付けてください。10年以内に2人に1人が再発しているとのことです。
でも、しっかり再発予防に努めれば、そのリスクは限りなく減ります。
動脈硬化とは?
脳卒中は死因の大4位です。
大3位の肺炎とほぼ同じで、10万人あたり約99人の死亡率です。
また、日本人の脳卒中の患者さんは年々増え続け、有病者数は310万人を超えました。
手足のマヒなどの深刻な後遺症を残すので、要介護1~5の認定者の内の27.3%を占めています。
再発するとマヒの悪化どころか命にかかわることが多いので、極力予防に努めるべきです。
脳梗塞や脳出血の再発予防のためには、発症の原因を理解しておく必要があります。
その原因の多くは動脈硬化です。
また、動脈硬化を強力に促進するのは加齢や高血圧、糖尿病、脂質異常症です。
更にストレスが脳梗塞や脳出血の再発を招くこともあります。
ストレスは自律神経のバランスを崩したり、動脈硬化を悪化させたりします。
特に若年層の脳卒中の発生には深いかかわりがあります。
では、解り易く順を追って説明します。
血管とは?
血管は動脈と静脈に大別されます。
動脈は大中小の血管があり、抹消の毛細血管につながっています。
心臓から栄養や酸素に富んだ血液を身体中の組織に送り、生命活動を維持させます。静脈は毛細血管から続く血管で、組織からの老廃物を浄化したり排出したりする肝臓や肺臓を経由して心臓に向かっています。
消化管で吸収された栄養素も門脈という大きな静脈を経由して肝臓に流れこんだ後、心臓に運ばれます。
このように身体は動脈と静脈の中を流れる血液が循環しているのです。
動脈も静脈も内膜、中膜、外膜の3層構造を成しています。
但し、動脈の内膜は一層の内皮細胞とわずかな結合組織で構成されていますが、静脈は壁が薄く内膜に静脈弁が付き、逆流を防いでいます。
動脈の中膜や外膜は筋肉と弾性線維からなり、太い動脈ほど柔軟性に富む弾性線維が発達しています。
心拍による強い圧力に耐えられるような構造になっています。
動脈硬化は動脈の内腔と壁の変化
この血管の内腔が狭まったり、壁が硬くなり柔軟性を失うことが動脈硬化です。
それが進行すると血流状態が悪くなり、血栓や出血の原因になります。
また、血管の壁がもろくなることで出血が起きたりします。
動脈硬化の種類
動脈硬化はアテローム動脈硬化と細動脈硬化、そして中膜硬化の3つに大別されます。
アテローム動脈硬化は粥状動脈硬化とも呼ばれ、動脈硬化の中では最も多くみられます。
血管の内膜の中にコレステローなどが入り込み、ドロドロした塊をつくります。
また、細動脈硬化は抹消の細い血管が硬化して血流を妨げるようになります。
中膜硬化は中膜にカルシウムが沈着するのが特徴です。
アテローム動脈硬化とは?
内皮細胞が活性酸素などの酸化促進物質や、強い血流による刺激でキズつくと、修復のためにLDLコレステロールが内膜に入り込みます。
やがて蓄積されたLDLコレステロールが酸化されると、毒物と認識した免疫細胞のマクロファージが排除するために侵入します。
この過程を繰り返すことで、内膜がLDLコレステロールとマクロファージであふれてしまいます。
その結果内膜が隆起して血管の内腔が狭くなります。
しかも酸化したLDLコレステロールは油が腐ったようなものですので、貪食したマクロファージも死に絶えお粥のようにグジュグジュした塊になってしまいます。
この塊により血流が滞り脳梗塞を発生してしまうのです。
また、剥がれやすいので、遠くの血管に飛んで新たな梗塞をつくってしまいます。
更に酸化反応が外膜にも及ぶと柔軟性を失い硬くなった壁に変化してしまいます。ここが崩れると大出血を起こします。
動脈破裂です。
細動脈硬化とは?
抹消の細い動脈が硬くなってしまい、血液の流れが悪くなる状態を指します。
多数の微小血管がつまると、手足の動きやろれつが悪くなったりします。
また、認知症の原因となるラグナ梗塞も細動脈硬化により発生します。
加齢や高血圧、たばこが原因に挙げられます。
この結果、更に血圧が上がり、場合によっては破裂してしまうことがあります。
つまり、脳出血です。
中膜硬化
中膜にカルシウムが沈着し、骨化を起こします。
何らかの衝撃が加わると崩れやすくなります。
大きな動脈に発生しやすく、大出血を起こすこともあります。
動脈硬化の原因とは?
一般的に高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満、たばこや過度な飲酒、加齢、ストレスが挙げられます。
加齢による動脈硬化は避けられませんが、可能な限り進行を遅らせることが賢明です。
なかでも糖尿病と高血圧は動脈硬化を促進させる最大の要素と言えます。
但し、血圧は低すぎても各臓器に十分な血液が送れなくなる可能性があります。血圧を下げ過ぎると脳梗塞の発症が高まるという学者もいます。
また、コレステロールも生体の恒常性維持に必要不可欠です。どちらも程度ものという考え方が求められます。
糖尿病が動脈硬化を促進する理由
血中の糖質がタンパク質と反応すると、糖化現象を起こします。
糖化現象はメイラード反応とも呼ばれます。
肉類を火にかけると軽く焦げて茶色になります。
これはタンパク質が過熱により硬く変化した状態です。
もう元の柔らかさは戻りません。
これも広い意味で糖化現象と言えます。
もし、皆さんの手なり足なりの筋肉がコチコチに硬くなり柔軟性を失ってしまったら、もはや筋肉としての働きはありません。
つまむことも歩くこともできなくなってしまいます。
同じようなことが我々の動脈でも起きているのです。
急激に増加した血中の糖は、タンパク質と結合し、糖化現象を起こします。
最終的にはAGEsという強烈な糖化産物になってしまい、LDLコレステロールも糖化してしまいます。
当然、マクロファージも酸化したLDLコレステロールと同じように有害物として見なし、貪食という形で排除しようとしますが、大量になると処理できなくなってしまいます。
結果、アテロームを形成して動脈硬化を招いてしまいます。
また、活性酸素を消去する力を持つスーパーオキサイドディスダーゼなどの抗酸化酵素もタンパク質で出来ていますので、これも糖化の対象になってします。
酸化を防衛する機構も失われてしまうので、動脈硬化は加速度的に進行してしまいます。
糖尿病による血管の障害は脳梗塞や脳出血の原因となるばかりか、網膜症や腎不全、下肢の壊死を引き起こします。
どれも動脈硬化による血流不全が原因だからです。
したがって、脳梗塞や脳出血の発症予防でも再発予防でも、糖尿病による過剰な血糖は常日頃低値にコントロールしておく必要があります。
高血圧が動脈硬化を促進する理由
心臓が収縮したときが上の血圧、弛緩したときが下の血圧ですが、高血圧症とは、常に上の血圧が145mmHg以上、下の血圧が95mmHg以上になる病気です。
この高い血圧が恒常的に血管に加わると、その圧力に血管壁を硬くして抵抗するようになります。
破れてしまったら脳出血になるからです。
言わば、身体に備わった防衛反応ですが、結果的に動脈硬化を起こしてしまいます。
特に末梢血管は強い圧力がかかるので、一番最初に細動脈硬化としてあらわられます。
細動脈硬化になると、血管が硬く細くなりますので、更に血圧が上昇してしまいます。
下の血圧が高いというのは、この現象です。
また、内皮細胞は血管を広げたり、血液の流動性を良くしたりして健全な動脈が維持できるように働いていますが、高い血圧は血液の流動水圧を押し上げ、内皮細胞をキズつけ、その機能を低下させてしまいます。
更にキズついた内皮細胞の隙間からLDLコレステロールが内膜に入り込み、動脈硬化を促進させてしまいます。
ストレスも大きな原因
動脈硬化を防ぐことは最大の脳梗塞や脳出血の予防や再発予防になりますが、ストレスも大きな危険因子になります。
ストレスにより交感神経が興奮して、血管が急激に収縮すれば、血栓を起こしやすいし、血圧が急上昇して血管が破れ脳出血の発生にもつながります。
特に気温や気圧の変化が激しい梅雨や冬場は要注意です。
そればかりではありません。
ストレスは心房細動なども不整脈を誘発し、凝固しやすい血液が脳に飛ぶことで、脳梗塞に発展してしまうことも稀ではありません。
動脈硬化が進んでいない30代から50代の脳梗塞の原因の多くは心臓に起因しています。
若年層の脳卒中が問題
ガンにオカルトキャンサーと呼ばれる転移巣があります。
どこから転移したのかがつかめないというものです。
中年層の脳卒中もオカルト的です。
高齢者でしたらいつでも脳卒中を発症する危険性はあります。
明らかに最大の危険因子である動脈硬化が進んでいるからです。
発症のピークが70歳以降というデータは信じられます。
でも、現在脳卒中に罹患する方は40代から急上昇しています。
ガンも同じですが、働き盛りの年齢層に脳卒中が多々みられるようになったのです。
これが最大の問題点なのです。
それは高齢者だから仕方がないということではありません。
誰でも手足が動かなくなり、言葉も自由にしゃべれないとなれば、その辛さは計り知れないものになるでしょう。
その中でも、更に家族や社会への責任という重圧感が肩に圧し掛かってくるのが中年層の脳卒中なのです。
知識や経験も豊富、しかも体力気力も十分ある中年が脳卒中で倒れたら、一瞬にして世をはかなんでしまうでしょう。
社会に貢献でき、家庭を守るという使命がある年代ですし、世の中で大きな戦力を失うことでもあるからです。
勿論、女性も同様です。働き盛りで職場に欠かすことのできない存在の方も、家事や子育てに専念し、家庭を守っている方もいらっしゃるでしょう。
家族も困るでしょうが、社会的な損失も大きいのです。
ストレスが生体に与える影響
現代社会は様々なストレスに満ちています。
PCの普及、成果第一主義、競争原理の導入、人手不足、経済状況の悪化、労働時間の延長など、職場環境の激変から順応できない方が増えています。
実際、仕事で強い不満や不安、怒りを感じている人は全体の50%に及ぶというデータもあります。
また、この心の葛藤は主婦でも学生でも同じように感じています。
職場では上司や同僚との人間関係、主婦や学生では、ご近所や学校などでの人間関係もあります。
つまり、1億、総ストレス社会ということです。
このストレスが脳梗塞や脳出血の発症に深く関与しているばかりか、心筋梗塞やガン、うつ病、アレルギー疾患など多くの病気の引き金にもなってしまうのです。
特に30代から50代の脳梗塞や脳出血で、高血圧や糖尿病、脂質異常症のない方はストレスや過労が大きな発症原因になっています。
そこで、振り返ってみて頂きたいのですが、毎日心は充実していましたか?
毎晴らすに晴らせない悶々とした気持ちに苛まれていませでしたか。特にこのような方は真面目と言われる方に多いようです。
血液型ではA型気質と呼ばれています。
そうです、ストレスが脳卒中の引き金になっていると考えられるのです。
風邪は万病の元と言われますが、ストレスこそが万病の元なのです。
発症後、血圧をコントローする薬剤や血液をサラサラにする薬剤を服用していたとしても再発するケースが後を絶ちません。
混沌とした気持ちが大きなストレスになっているのかも知れません。
ハンス・セリエのストレス学説
フランスの生理学者のクロード・ベルナールは、生体の組織液を内部環境と呼び、それが維持されていることが生命維持に必須と提唱しました。
その後、アメリカ合衆国の生理学者ウォルター・B・キャノンは生体には外部環境が変化しても内部環境を一定の状態に保とうという働きがあり、その能力をホメオスタシスと名づけました。
つまり、外部環境が過酷でも、自律神経系やホルモン系が対処できれば、健康でいられるのです。
ところが、その刺激が生体の適応できる範囲を超えてしまうと、自律神経系やホルモン系のバランスが崩れ、様々な病気に発展することがあるというのです。
この外部環境からの刺激をモントリオール大学で教鞭をとっていたハンス・セリエはストレッサーと命名しました。
ストレッサーとは、単に精神的なものだけではなく、外傷、や暑さ寒さ、騒音、毒物、酸欠、アレルギー物質、病原体などの化学的、物理学的、生物学的な刺激も含ます。
ストレッサー(ストレスの原因となる因子)が加わると、先ず警告反応期のショック相があらわれ、体温や血圧、血糖の低下、血液粘調度の高まり、急性胃腸障害の発生、精神活動の鈍化などが認められるとのことです。
この時期を過ぎると、反ショック期に移行します。
体温や血圧、血糖の上昇、精神活動の活発化、副腎肥大、胸腺萎縮などがあらわれストレッサー(ストレスを起こす因子)に対する順応現象が始まるのです。
その後、ストレスが解消せずとも、それに対する順応との間に一定のバランスが生まれるようになると、抵抗期に入ります。
但し、この抵抗にも限度があり、精神的にも肉体的にも疲労困憊すると疲弊期に陥ります。
ショック相のような体温や血圧、血糖の低下、胸腺リンパ節の萎縮、副腎の機能低下が起こるのです。
これがセリエが動物実験により立証したストレス学説です。
また、これらの現象は基本的に人間にもあてはまります。
自律神経系の乱れ
ストレッサーは自律神経系やホルモン系のバランスを崩すことが判明しています。
自律神経は意思に関わらず自律的に働き、生体の恒常性を維持させています。
また、自律神経は交感神経と副交感神経とに別けられ、交感神経は攻撃型の神経で、エネルギーを放出させる方向に向かわせます。
一方、副交感神経は安堵型の神経でエネルギーを蓄積させる方向に働きます。
例えば、交感神経は血圧を高め、逆に副交感神経は低下させます。詳細は表1にまとめた通りです。
ストレッサーは、視床下部にある自律神経系の中枢に影響を与え、交感神経を過剰に刺激することで、生理的に片寄った負担を臓器にかけます。
また、副腎髄質から交感神経系を興奮させるアドレナリンやノルアドレナリンの分泌も促進させます。
更に視床下部からコルチコロトピン放出ホルモンの分泌が高まり、それが脳下垂体から副腎皮質刺激ホルモンの放出を促すと、副腎皮質から副腎皮質ホルモンが多量に放出されます。
この伝達系をHPA系と呼んでいます。
ホルモン系の乱れ
副腎皮質ホルモンは抗ストレスホルモンですが、変調をきたしている器官に集中して働くものではありません。
したがって、正常な機能を保っている器官に対しては不利益な影響を与えることもあります。
いずれにしろ、交感神経系の興奮状態、あるいは副腎皮質ホルモンの分泌過剰が長期に渡った場合、間違いなく各器官はホメオスタシスを失い、病的な状態に陥ってしまいます。
例えば、過剰な交感神経の緊張により、血液の粘調度も高まりますし、心臓の冠状動脈の痙攣や心房細動も起こりやすくなりますので、血栓を誘発します。
これが脳血管を詰まらせ脳梗塞の発症につながります。
更に持続的な血管の収縮により血圧が上昇し脳出血のリスクも高めます。
また、自律神経系の失調による胃潰瘍や過敏性腸症候群の発症もみます。
この他、ストレスにより発生する疾患は、本態性高血圧症、ガン、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、過呼吸症候群、筋収縮性頭痛、チック、メニエール氏病、うつ病、不眠症、神経症、生理不順などが知られています。
器官 | 交感神経 | 副交感神経 |
---|---|---|
心臓の拍動 | 促進 | 低下 |
末梢血管 | 収縮 | 拡張 |
脳血管 | 収縮 | 拡張 |
血管圧 | 亢進 | 低下 |
呼吸数 | 増加 | 低下 |
気管 | 拡張 | 収縮 |
瞳孔 | 拡張 | 収縮 |
唾液の分泌 | 促進 | 促進 |
消化管の蠕動運動 | 低下 | 促進 |
副腎皮質ホルモン | 促進 | 減少 |
膀胱 | 弛緩 | 収縮 |
汗腺の分泌 | 促進 | ー |
立毛筋 | 収縮 | ー |
特に脳梗塞や脳卒中を発症した方は積極的にストレス解消法を行ってください。
脳卒中の後遺症で悩まれている方の多くは、動かない手足に不条理を感じ、不満が募っています。
更に再発を恐れ、不安な毎日を過ごしています。
これらのことが大きなストレスになっている可能性が高いし、再発を誘発する因子にもなり得ます。
ストレスを味方にする
では、全くストレスのない環境がベストなかと言えば、そうとばかりではありません。
無ストレス状態に置かれると、ストレッサーに対する防衛能力が激減し、僅かなストレッサーでもすぐに疲弊期に陥ってしまうことがあるからです。
俗に言う温室育ちの弱さです。
それどころか、免疫力の低下から重篤な病気に罹患してしまうかもしれません。
それに社会生活を営んでいれば、大なり小なりストレスを感じるのは当たり前のことです。
集団生活をしていれば、ストレスは避けて通れない宿命的な心の葛藤です。
したがって、ストレスを感じても、身体のホメオスタシスを狂わしてしまうほどの認知的ストレッサーに発展させないようにすることが肝要です。
マラソンのような激しい運動を行っても爽快感が生まれることもりますし、トウガラシの辛さが堪らなく旨く感じることもあります。
更に生活音がなければ寝付けない人もいます。
このように一見ストレッサーと思われる刺激が感受性の違いで、生体に有利に働くこともあるのです。
ともかく、毎日前向きな気持ちで生活を送るなど、自分に適したストレス解消法を身につければ、認知的ストレッサーの生体に及ぼす悪影響は緩和されます。
とにかく、高齢者以外の方の多くは動脈硬化に起因する脳卒中は非常に少ないと考えられます。間違いなくストレスや過労による持続的な交感神経緊張が原因です。もし、動脈硬化が進んでいる高齢者にストレスをかけたら、大変なことになってしまうでしょう。多発性脳梗塞や脳出血に発展してしまう可能性があります。
稀に全くストレッサーが発生しないという人もいるかもしれません。
健康に長生きできる可能性が高い方です。
上手な生き方ができるでしょう。
但し、周囲の人から厚顔無恥とか傍若無人、傲岸不遜と言われるようだと困ります。
性格もありますが、社会不適応症候群という病気の人にもみられます。
ある意味、ストレッサーを真正面で受けて止めて思い悩む方の多くは真面目で心優しい方です。
ただ、ストレッサーによるストレスは、個々によりその刺激の感受性の違いは大きいといえます。
人によっては多少の暑寒さをストレスとして感じないこともあり、また人によっては軽い冗談が精神的な苦痛となり、自律神経系を乱すほどの刺激になったりします。
つまり、受け取り方により強いストレッサーになってしまうこともあるのです。
これを認知的ストレッサーと呼びます。
この認知的ストレッサーは不安、怒り、悲しみ、恐怖など、様々なマイナス感情を呼び起こし、次第に交感神経を過度な緊張状態にすることで、疾病にまで発展させてしまう可能性があります。
東洋医学でも、この病因は古くから知られ、七情の乱れとしてあらわしています。
ですから、自分にとって不利になるストレスは一刻も早く排除しなければなりません。
動脈硬化を抑える
脳梗塞や脳出血の予防をひと口で言えば、動脈硬化を進行させないことです。
そのために心がけておくことは下記の①~④通りです。
①高血圧や糖尿病、脂質異常症、メタボなどの疾患があったら、 先ずは治療が必要です。
②タバコは吸わない、アルコールも適度におさえなければなりません。
③適度な運動とストレス解消に努めなければなりません。
④過労や睡眠不足に気を付け、栄養やビタミンミネラルの過不足に気を付けなければなりません。
但し、これらの予防法は当たり前のことで、健康を気遣う方でしたら、誰もが実践していることです。
ですから、それだけで脳梗塞や脳出血の予防になるかと言えば、多分無理でしょう。
考えてみてください、皆さんが発症したときのことを!
ご年齢は?日頃の生活習慣は?ご親戚に同年代で脳卒中で亡くなられた方はいますか?恐らく中年で発症、日頃健康に気遣っている、同年代での発症は見られないと、返答する方が多いのではないでしょうか。
当然、若年層で脳卒中に罹患した方の多くは、どうして俺がという気持ちになるはずです。
仲間の中には大酒飲みでタバコもスパスパ、その上午前様という破天荒な生き様の人間もいるのに、どうして俺みたいな健康的な毎日を送っている者に過酷な試練を与えるのか!?神も仏もこの世には存在しないと落胆してしまいます。
確かに原疾患に心疾患や血液凝固異常、血管奇形、血管炎などがあれば別の話になりますが、多くの方は健康体です。
実際、発症後直ぐにCTやMRIで脳を検査しても脳卒中を引き起こす動脈硬化は認められません。
確認できるのは病巣だけで、他にこれといった変化はないといったケースが多いのです。
青天の霹靂でしょう。
前兆を見逃さない
現在、脳卒中は日本人の死亡原因の第3位。
医療が進んだことで死亡率は年々減少していますが、高齢化社会にともない患者数は増加しています。
脳卒中は、上記の対処法はもとより、わずかな前兆を見逃さないことが大切です。
手足の麻痺、ろれつが回らない、激しい頭痛や強いめまい、吐き気、視野が狭まるなど、いつもと違う前兆を見つけたら、ずぐに医療機関にかかりましょう。
特に季節の変わり目は自律神経に狂いが生じやすいので、無理をしまいようにすべきです。
血圧が不安定になりやすいからです。
また、冬場の外出や風呂と脱衣場、温度差が激しいので、血管が激しく収縮したり、血圧が急上昇したりしやすいので、マフラーや暖房機などの設置も求められます。
体調に変化を感じたら、遠慮せずに救急車を呼びましょう。
早めに治療を開始すれば、重症化の予防になります。
脳卒中の予防対策
それと、もう一度見直さなければならないのが生活習慣です。
厚労省のデータによると、1960年前後に脳出血の死亡率が高い時期があり、その後激減したようです。
丁度、高度成長を迎え、長時間残業は当たり前、食生活の欧米化も浸透し始めたときです。
悪い生活習慣の是正が最大の予防
脳卒中の語源は「悪い風にあたって突然倒れる病」。
昔から、何の前触れもなくおこる病とされていました。
しかし、近年では医療が進んだことで、原因が解明し、予防や対処ができるようになりました。
脳卒中を引き起こす大きな要因は動脈硬化。動脈が硬くなったり狭くなったりすると、血液の流れが悪くなります。
狭くなった部分に血の塊が出来て、それにより突然、脳内で血管が詰まったり、破れたりして脳卒中となるのです。
普段から高血圧や高脂血症、糖尿病などの持病をお持ちの方は、塩分や糖分、過度な脂質の摂取を控えたり、適度な運動を心がけるなどして予防をすることが重要です。
お酒はビール大瓶1本、日本酒2合程度でしたら問題ない方が多いのですが、つまみに高カロリーの料理を食べ過ぎると、肥満のもとになり、やがて血圧や高脂血症、糖尿病を誘発しますので、健康のことを考えたら節制も必要です。
脳卒中を起こすと生命にかかわることが多く、たとえそうでなくても手足の麻痺や言語障害などの後遺症を残すことが多い病気です。
起こさないようにするには、日頃の生活習慣が悪ければ、それを是正するように努めなければなりません。30代から50代の脳卒中の発症はストレスが深くかかわっています。
十分な注意が必要です。
脳梗塞や脳出血などの脳卒中は動脈硬化が最大の原因ですが、その発生を高める最たる疾患が高血圧、糖尿病、脂質異常症です。
また、肥満や運動不足、喫煙、過度な飲酒、過労、ストレスも動脈硬化を助長します。
高血圧、糖尿病、脂質異常症は病院の治療が必要ですが、その他の危険因子は生活習慣を改めることで軽減可能です。
血管を強化するタンパク質
脳卒中の死亡率が激減した理由として挙げられるのは、脳出血の罹患率が減ったことが筆頭に挙げられます。
それでも、死亡順位が第4位ですので、あなどれない疾患です。
認知症に結びつくラグナ梗塞は減りましたが、死や後遺症の危険性の高い中小動脈の梗塞は大きな罹患率の低下はみられません。
一見、脳出血が減ったのは降圧剤の普及とも思えますが、服用していない方も多いので、そればかりではありません。
となると、生活面での変化と言えば、食生活が一番に考えられます。
高度成長期以降、タンパク質の摂取量が増加したのは間違いありません。
栄養状態が改善された。特にタンパク質の摂取量が増え、動脈管の強化が発症の抑制につながったと考えるのが自然です。
動脈を含め全ての細胞は、主にアミノ酸と脂肪酸で構成されています。
アミノ酸はタンパク質が細かく分解されたものです。
したがって、タンパク質を摂ることは動脈の壁を強化することになります。
動脈は300~400mHgの圧力にも耐えられる構造になっていますが、タンパク質不足で脆弱になっていると、いとも簡単に破壊され血液が漏れてしまいます。
階段の上り下り、トイレにおける気温差、明け方の血圧上昇ぐらいで脳出血を起こしてしまうのです。
また、アミノ酸のうちでもアルギニンは、動脈管の内側にある内皮細胞からの一酸化窒素の産生を促進させます。
これにより血管が広がり、血圧も低下するし、血流も良くなります。
特に動物性タンパク質に含まれるタウリンやメチオニンといったアミノ酸は交感神経緊張からの血圧上昇を防ぐ作用があります。
更に流通が良くなり、食卓にあがるオカズのうち、塩分の多い保存食の割合が減ってきたことや、住まいも衣服も防寒が徹底されてきたことも遠因になっているでしょう。
ところが、男子において、動脈硬化からの脳梗塞が増えているとのことです。
焼き肉や焼き鳥で一杯やるばかりでは、健康な血管が築かれないのです。
つまり、タンパク質の補給で動脈管が強くなり脳出血のリスクが減りましたが、その一方で脳梗塞で倒れる中高年男子が増えているのです。
不飽和脂肪酸も重要
牛や豚肉のタンパク質は大いに結構なのですが、それに付いている脂は飽和脂肪酸で、脂質異常症を招く危険性があります。
LDLコレステロールは動脈硬化を促進することが知られていますし、メタボの男性に脳卒中が多いのも明らかな事実です。
更に緑葉色野菜や豆類、オリーブ油やエゴマ油、シソ油などの不飽和脂肪酸類、そして生鮮魚介類の摂取量が低下していることも原因のひとつに挙げられます。
特に男子においての偏食が目立つようです。
緑葉色野菜や豆類にはビタミンやミネラル、ポリフェノールが豊富に含まれています。
ビタミンやミネラルは体内で抗酸化酵素の原料になりますし、ポリフェノール自体も相当の抗酸化作用を有しています。
これらの抗酸化成分の補給は血管内皮細胞の酸化による機能低下に歯止めをかける可能性が十分にあります。
内皮細胞の細胞膜は不飽和脂肪酸類で構成されていますので、不飽和脂肪酸を摂ることは内皮細胞の健全な維持にも役立ちます。
新鮮な魚介類にもタウリンやアルギニン、そして青魚には豊富に不飽和脂肪酸が含まれています。
EPAやDHAが血液の流動性を高め、血栓の予防に利用できることは周知のことです。
以上のことに注意して、適度な運動を行えば、薬剤に勝るとも劣らない脳卒中の予防ができると信じています。
脳卒中を防ぐ食生活
① 豚肉や鶏肉、たまには牛肉も食べよう!
肉類が嫌いという方がいます。
また加齢により肉料理が苦手になるようです。
でも、可能な限りに肉類を食べましょう。
含まれるタンパク質が血管の構成要素なり、壁を強化します。
血管が強ければ多少の血圧上昇でも破れることはありません。
また、適度なタンパク質の補給は高血圧症を予防します。
つまり、脳出血の危険性を少なくするのです。
どうしても肉類が食べられないという方は魚や納豆、豆腐、豆乳などの大豆製品でタンパク質を摂りましょう。
油類も必要、特に不飽和脂肪酸は積極的に!
コレステロールが気になって、油類を敬遠する方がいますが、適量でしたら脳卒中の予防に役立ちます。
摂取した油類が血中コレステロール値に反映するのは20%程度です。
ほとんどは体内で他の栄養素から合成されるので、油類を節制しても意味がありません。
それどころか、ホルモンの原料にもなっていますので、ストレスに弱くなったり自律神経系の失調を起こしたりする可能性もあります。
特に不飽和脂肪酸は血管の内腔にある内皮細胞の構成要素になり、正常な血流を維持しています。内皮細胞は血管を拡張させたり、血液の流動性を保っています。
また、不飽和脂肪酸のDHA、EPAなどは血栓を防止する作用があります。
DHA、EPAを多く含むアジ、サバ、ブリ、サンマなどを積極的に食べましょう。
② 野菜、ゴマはたっぷりと
緑黄色野菜や果物には水溶性で抗酸化作用の強いポリフェノール類やビタミンCが含まれています。
また、ゴマや小麦胚芽油には油性で抗酸化作用があるビタミンEが含まれています。
これらの抗酸化物質が血管内や細胞の酸化を抑制しています。
血管の内皮細胞が傷つくと、その隙間に免疫細胞のマクロファージやコレステロールが入り込み、内腔を押し上げることで動脈硬化を促進させてしまいます。
アテローム変性と呼ばれています。
狭まった内腔に血液が流れる刺激で、さらに内皮細胞の機能が失われ血液を固まらせる作用のある血小板もこびりつき、仕舞には血栓をつくってしまいます。
この現象が脳血管で起これば、脳梗塞です。
このアテローム変性の元凶となる内皮細胞の傷は、活性酸素や酸化したコレステロールによる酸化が原因とされていますので、緑黄色野菜や果物、ゴマなどの抗酸化作用の高い食品をしっかり食べる必要があるのです。
特に食べておきたい食品
① 血液サラサラにする玉ネギ
特に玉ねぎには血圧を下げ、強い抗酸化作用のあるケルセチンや血の流れを良くするサイクロアリインやイソアリインが多く含まれています。
一日一回は味噌汁の具やサラダ、酢の物などにして積極的に食べるようにしましょう。
酢は血管を強化する働きもありますので、一挙両得です。
また、サイクロアリインやイソアリインは糖質の代謝に欠かせないビタミンB1の吸収を助けますので、糖尿病やダイエットにも効果的です。
栄養価の高い薄皮も一緒に摂れるように皮つきのまま1/4程度を、軽く塩味をつけた500mlの水で20分間煮て、その煮汁を飲むのもおすすめです。
②抗酸化作用が強いソバ
穀物の中では食物繊維の多い部類に入ります。食物繊維は糖質の吸収を抑えるので、ダイエットに役立ちます。
また、ルチンと呼ばれる抗酸化作用の強いフラボノイドも豊富に含んでいます。
ルチンは血流改善に良いばかりか、血管を強化する効果もあります。
脳卒中の予防や再発予防におすすめです。
③血管を強化する鳥皮や手羽先
血管の構成要素となるコラーゲンやエラスチンに富む、鳥皮や手羽先は脳出血の予防に役立ちます。
タンパク質と一緒に摂れるので、理想的な食品と言えます。
④抗酸化効果と血管の柔軟性に役立つトマト
トマトには抗酸化効果の高いリコピンやカロチンなどのポリフェノールが含まれています。
また、血管の柔軟性や新陳代謝亢進に有効とされるクエン酸も含まれています。
⑤柑橘系のフルーツも抗酸化効果と血管の柔軟性に役立つ
血管を柔らかくするクエン酸や抗酸化作用のあるビタミンCは、ミカンやオレンジなどの柑橘系のフルーツにも多く含まれます。
ビタミンCは水溶性なので、血中のフリーラジカルを消去して内皮細胞の酸化を抑制します。
但し、速やかに体外に排出されてしまうので、毎日補給する必要があります。
⑥ひまわり油のビタミンE は油性の抗酸化物
内皮細胞を構成する不飽和脂肪酸は、非常に酸化されやすいのが特徴です。
これに対抗できるのは油性のビタミンEです。
ビタミンCが血中ならば、ビタミンEは細胞自体の酸化を抑制しているのです。
ビタミンEがなければLDLコレステロールが酸化され、動脈硬化が進んでしまいます。
食品ではひまわり油やゴマ油、イワシやマグロに含まれています。
⑦抗酸化酵素の構成要素になる亜鉛やセレンを含む牡蠣
体内には生まれ持って酸化抑制作用の強い抗酸化酵素が存在しています。
スーパーオキサイドディスムダーゼやカタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼなどが細胞の酸化を防いでいるのです。
ポリフェノールやフラボノイド、ビタミンC、ビタミンEを多量に摂ったとしても、これらの抗酸化酵素が働かなければ、あっという間に身体中の細胞が酸化され死んでしまいます。
加齢やストレスにより分泌量が減るので、常に補うことが必要です。
但し、単に抗酸化酵素自体を補給すれば良いというわけではありません。
そのまま吸収されないからです。
基本的には抗酸化酵素の中心核となるミネラルと良質なタンパク質を摂ることで体内で合成するしかありません。
その目的に叶うのは牡蠣です。
牡蠣に含まれる亜鉛はスーパーオキサイドディスムダーゼ合成に必須ミネラルです。
グルタチオンペルオキシダーゼはセレンが欠かせません。
牡蠣に含まれるタウリンも高血圧を抑制します。
手軽にできるストレス解消法
①内観
現代社会に生きている以上、様々なストレスを避けて通ることはできません。
一時的にストレスを回避しても、いつもの生活に戻れば、元の木阿弥になってしまいます。
ストレスは家族や、恋人、友人など、親しい人との別離、自分の生き方に合致しない会社や学校での生活などなど、多くの方が感じています。
ところが、現実の社会から逃避できる方は極々僅かです。
そこで、静かな場所で目をつむって冷静に自分にのしかかっているストレッサーの本質を考えます。
次にそれを軽減させる、あるいは打ち勝つ方法を見出します。
このように自身の精神状態を内面から考え、解決策を探すのが内観です。
まずは自分にのしかかっているストレッサーが何であるか、冷静に見つめ直します。
また、それが自分にとってどのような影響を及ぼしているか客観的に考え直すことが必要です。
その中で見えてきたものが、解消できるものか、それとも抱えながら生きていかなければならないのか、熟慮した上で結論を導きます。
もし、解消できるものであれば、どうしてこんなことで自分が悩んでいたかということを認識して、明るさを取り戻せば良いでしょう。
また、もし、どうしても解消できないストレッサーであれば、逆に味方につけると良いでしょう。
このストレスはいつか解決できるので、このストレスを生きる力に変えて毎日の生活に役立てるのです。
ストレスがなければ戦う力が失せ、後ろ向きな一生になってしまうと悟ることも大切です。
ストレスを逆手にとって自分の生き方の力に変えられれば、集中力も協調性も高まり、より良い人生が送れます。
当然、副交感神経が優位になりますので、脳卒中の予防になります。
②森林浴
森林浴は、緑の多い場所を散歩したり、立ち止まって大きく深呼吸をしたりして、すがすがしい心になることが目的です。
歩くことによりしっとり汗をかくと、気持ちがリラックスしてきます。
運動により汗と精神の安定は科学的にも立証されています。
幸せホルモンと呼ばれているセロトニンの分泌が高まるからです。
しかも植物の緑色は癒しになりますし、放っている香りはフィトンチッドと呼ばれ、リフレッシュさせてくれます。
また、漂うマイナスイオンもストレスを軽減させてくれます。
そのため、自律神経系やホルモン系が調整され、交感神経の過緊張やストレスホルモンの副腎皮質ホルモンの分泌も抑えられます。
心がリラックスして血圧が安定し、脳卒中の再発のリスクを軽減します。
③朝の日光浴
朝日を目に入れると、昼はセロトニン、夜はメラトニンの分泌が高まることが知られています。
セロトニンは精神安定とヤル気を起こさせます。
また、メラトニンは睡眠リズムを整わせ、熟睡が期待できます。
ストレスが溜まると、セロトニンやメラトニンの脳内濃度が減り、うつ病に発展してしまうこともあります。
心療内科ではうつ病患者さんに減少したセロトニンを有効利用させる薬剤を処方するぐらいです。
可能であれば、森林浴しながら朝日を浴びると更に効果的です。
上手くいけば、薬を飲まなくても血圧が安定してきます。
④動物園や水族館
動物園や水族館に行って、可愛い動物を観ると、自然に心が安らぎます。
これは誰しも体験することで、理屈は要りません。
子供たちの情操教育に最適な光景です。
動物たちの愛らしい行動を眺めているうちに溜まったストレスがやわらいでいきます。
実際、医療の現場でもアニマルセラピーとしても利用されるようになりました。
また、中には良かった探しに利用する方もいます。
人間に管理されている動物の多くは長生きです。
天敵もいませんし、食べるに困ることもありません。
それに医療も受けられるのですから、当然でしょう。
動物たちも、わめくでもなく、不平不満を言うでもない、一見幸せそうに見えます。
ところが、よくよく眺めると、柵の中で生かされているという感じです。
これが本当に幸せな生き方なのか?自由に生きている自分と比較することで、自分の方かまだまだましと開眼することがあります。
ストレスが解消できれば、自律神経系が安定してきて、脳卒中の再発リスクが低下します。
水族館でも同じことを感じ、ストレスによる体調不良から脱出した例もあります。
水族館にはいろいろな魚が泳いでいます。
熱帯魚の色鮮やか姿を観るだけでも心が癒されます。
中にはウーパールーパーのように愛らしくも不細工な生き物もいます。
この姿を見て、笑いとともに自分の方がまだ見られると思う女性も少なくないでしょう。
ウーパールーパーと比較するのはお門違いと言う人もいるでしょうが、ウツ的になった方は藁をもすがる気持ちで生きています。
こんなことでもストレス解消になるのです。
⑤アロマ
アロマが心身の疲れをとることは周知の事実になりました。
多くは植物の葉や花から蒸留された精油を利用しています。
ヨーロッパでは心の癒しを求める方のみならず、様々な病気の改善から予防まで幅広く活用されています。
おすすめの配合はローズマリー、イランイラン、レモンです。
夫々同量のアロマ精油を専用容器に垂らし、香りを嗅いでください。
次第に気持ちが落ち着いてきます。
夕食を済ませ、あとは眠るだけという時間帯に行うと良いでしょう。
交感神経の緊張の糸がほぐれ、熟睡できるでしょう。
よく眠ることは脳卒中の予防につながります。
⑥腰湯
主に足腰を温める入浴法ですので、湯に浸かるのは凡そみぞおちの高さまでです。
20~30分ぐらい浸かるので、これだけでも十分身体が温まります。
アロマとは芳香療法のことで、様々な植物の花や葉の香りを楽しみながら気持ちを明るくしたり、落ち着かせたりして、ストレスを解消させます。
浸かりながらアロマを楽しむことにより、血圧を下げる、血流改善、ストレス解消といった3つの効能ができます。
その他にも疲労回復、腰痛、手足の冷えやむくみ、美肌、ダイエット、生理痛などに応用されています。
とにかく日常生活の中で手軽にできるというメリットがあります。
効果的に行うポイントは次の通りです。
但し、極度に疲れていあたり、体調不良があるときは中止してください。
- 1.湯温は39℃を超えないようにします。
- 入浴前に水をコップ1杯飲みます。
更に入浴中に喉が渇くようでした水を飲みましょう。
これは長湯におこれ脱水状態の回避です。
- 2.お好みの香りのアロマ精油を数滴たらして、気持ちをリラックスさせるのも良いでしょう。
- アロマの入浴剤も市販されていますが、合成の香りですので、基本的には精油をご利用ください。
- 3.いよいよ入浴です。
- 先ずは手足にお風呂のお湯をかけましょう。
首までつからず、みぞおちの高さぐらいに抑えます。
水圧で心臓や肺圧迫する時間が長いと、動悸や息切れを起こす可能性があります。
- 4.もし、途中で動悸やめまいを感じたら、ゆっくり上体起こし、風呂からあがりましょう。
- 湯あたりかもしれませんので、涼しいところで落ち着くまで休むことです。
みかんなどの酸味のある食品を口に含むと、早く回復します。
酸味は血管を収斂させますので、広がりすぎた血管を徐々に元に戻します。
- 5.腰湯の最中に足の三里というツボに指圧すると更に効果的です。
- このツボは足腰の筋力の強化に役立ちます。
また、血圧を安定させたり胃腸の機能を高めたりします。
かの有名な俳人の松尾芭蕉も足の三里に灸をして奥の細道に旅立ちました。
身体をこわさず長旅に耐えられたのは足の三里に灸をしたお陰もあるでしょう。
- 仕上げにふくらはぎも足首から揉みあげるようにマッサージしましょう。
- ふくらはぎは第二の心臓と呼ばれるぐらい、疲労回復に効果があります。
⑥転地
医療も受けて、更に色々自助努力もして、それでもストレスが解消できず鬱々とした毎日を過ごすという場合は、天地療法をおすすめします。
家から遠く離れたところで静養することになります。
また、明らかなストレッサーがあれば、それをなくすための方策も必要です。
ストレスの場が職場や学校であれば、辞めることも視野にいれる必要があります。
心の負担がなくなったところで、自分が気楽に休めるという場所で新な生活を始めます。
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